「伏 贋作・里見八犬伝」 桜葉一樹2011年07月16日 17:02

人と犬との間に生まれた、「伏」と呼ばれる犬人間
残虐で、いまや賞金をかけられ狩りの対象となっている
ちっちゃな女の子の猟師、浜路が江戸へ出て来て
兄と伏狩りをする

面白いような、いまいちのような
「里見八犬伝」の物語と思って読むとちょっと違う。
そういう部分がないではないけれども。

ワンコ好きな私は、犬人間の伏が残忍な時点で【×】 ・・・
その伏を狩るぅ~?【×】 ・・・

作中で語られる【贋作・里見八犬伝】の部分は好きです。
伏狩りのドタバタは、あまりにも都合よすぎて
いっそのこと嘘くさくファンタジーめいた贋作のほうを
面白く感じてしまったのかもしれません。

すべてが中途半端にボヤかされて終わり、
はっきり分かって、ちゃんと終わるということがないので
ナンだか中途半端でした。

作中、冥土が言う
「神様は我々よりもどっか卑しいものだと思う。
だからこそ、ぼくら人間のさもしくて不浄な部分を無償で引き受けてくれる。
わけも聞かずに許してくれる。
そういう、優しくて汚ねぇもんだ、ありがてぇ、って」

作者はどこからこういう想いが出てきたのでしょうね。